23 No Reason第14回撮影

やっぱり遅れる・・・

急に決まった会議が予定時間を過ぎても延々と続くことにいい加減うんざりしていた。
同時に、待っている人たちのことを想って、申し訳なさでいっぱいになった。

撮影前日に会議が持ち越しになった時点で、ヤバイな、と思って連絡を済ませていたけど。

予定時間を過ぎてもはじまらない会議。
そして、日が落ち、雪が降り始めた。

しきりにたばこを吸いに外に出て、協力いただいている方々にメールと電話をする。

本当に申し訳ない。

滅多に仕切らない下っ端のオレが会議の進行を促す。数字を聞いて回り、集計する。
面倒くさいけど、何もしないよりはマシだし、少しでも早く終わって欲しい。

しかし、たがが外れた会議はゆるゆると違う話題に・・・

もう我慢ならない。
「その話はまた別の会議にしませんか?」
というオレ。
唖然とした上司たちの雰囲気だけを感じ取る。

そして、ようやく終わった。

予定の集合時間より遅れること一時間半。
タクシーを飛ばし、ようやくスタジオ入り。

今回のモデルは、わざわざ札幌からこの撮影のモデルを主目的にして、東京に来られた、けぽらんさん。
オレも会ったことがないし、他の方々も、もちろん顔写真しか見ていない。

みんな集合できて、スタジオに入っていたことは聞いていたものの、一抹の不安があった。

「遅くなってすみません!!」
スタジオ入りすると、想っていたよりも全然空気が和やかで、遅刻したオレが想うのはとても不謹慎だけど、なんだかホッとした。

スタジオに入った直後に焦りで頭が真っ白になって、とにかく、けぽらんさんがいないか、辺りを見渡す。

いた!

メイク中だったので軽く挨拶した。
でも、その後、撮影に入るまでは、正直に言えば、あまり覚えていない。

なんとか、通常通りの手順やペースに戻そうとするけど、いろんなものが自分の中で空回りする(周りから見てもそうだったかも)。
ようやくライティングを決めて、なんとか落ち着いた。

とにかく、ミスをしないように準備の確認をいつもより念入りに何度もした。

<今回の参加者>
・モデル けぽらんさん
・ヘアメイク Natsukiさん
・スタイリスト 赤田さん
・見学/お手伝い クニツグさん
・撮影助手  ぐぬぬさん
・撮影助手  るか
・撮影 masashi_furuka

今回の撮影コンセプトは、割と早めに固まっていたのでスムーズだったと思う。
ただ今回のスタジオがオレは初めてだったし、ロケハンもできず、どこで撮るか、それだけが不安だった。

結局、狭いながらもシーンを変えて、3つほど撮れたので、時間がない割にはスムーズだったのかもしれない。

それもこれも、知らない人ばかりという環境にもかかわらず、すっと疑似死体に入っていったモデルけぽらんさんの「感覚」のおかげだと思う。

雪が降るほど寒い日で、
フローリングの床は
本当に冷たかったと思う。

そんななか、がんばっていただいた、けぽらんさんに感謝を申し上げたい。

そして、いつもあたたかく、手を抜かずに、作品づくりに協力していただいている方々に感謝を。

みなさんのおかげで、現場の空気もスタジオ外よりも温かく、スムーズに撮影することができました。

本当にありがとうございました。

雪が教えてくれること。
それは、感謝の積み重ねが、美しい作品づくりにつながる、ということなのかも知れない。