妄想猛走

6月18日(土)19日(日)の展示まで、あと1週間となりました。DMはどれだけの人の手元に届いただろうか。郵送した方はポストから取ってくれただろうか(笑)
見知らぬ方で手に取り、家に持って帰ってくれた方はいただろうか。

昨日一昨日と某公園で撮っていると、いろんなことや光景が脳内にフラッシュバックしてくる。時々休みつつ、フラッシュバックした人の姿を宙に追ってみる。若くして亡くなった人がいる。連絡がつかない人もいる。さまざまな光景が浮かんでは消える様はムービーというより、幾重もの多重露光のように相互に干渉しあい、やがては白く消えていく。

ボツ0061

小さな世界に意識も記憶も吸い込まれてゆく。

時間感覚はその渦潮に飲み込まれ、自分の存在を感覚することすらおざなりになった後、視覚だけが呼吸をする。血は固まり脈は今しがたの雨のごとく土を打ち続ける。

帰る場所を失った四肢。

写真は光の化石という生やさしいものではなく、地層のようなものだと最近は思う。
活断層や深層にマグマを湛えた地層。化石は浅い地層にしかないじゃないか。表面にはうっすらと流された汗や涙が。

写真はどこへ行くというのか。

後悔するぐらいならやり切るべき。

先週まで「Immortal smiles」の撮影とセレクトに追われていたので、考えるのを保留していたのだけれど、いざ予定していたプリントすべての入稿を終えると、やはり撮って展示しないと気持ちが悪い、後でかならず後悔すると思い、今日撮影してきた。

遡ると、No Reason「File:05 死後」を制作できると思いついた時から構成も同時に考えていて、あるテーマを下の写真のように撮っていこう、とぼんやり決めていた。

さて、ここでお見せできるのはボツ写真です・・・あくまで展示が最優先なので、申し訳ない。
自分で言うのもどうかと思うが面白い写真ではある。
おもしろいのだけれど、やはり、現像して仕上げて他の写真との展示の組み合わせとして見た時に、やはり採用できないと判断したのであります。

ボツ0023

展示する写真は上のものとは違いますので、展示をご覧いただける方は、組み合わせによる印象の違いを比べてみるとおもしろいかも。お楽しみに。

“もう一度光と戯れる” & “Not Photoshopped” そして・・・

6月18日(土)の展示開始が近づいてきて、制作も佳境です。

展示内容や作品のテーマは先日の展示案内の記事(2016年5月17日投稿「Masashi Furuka 3年半ぶりの展示ご案内」)に書いた通り、今回展示する作品は3系統の作品群です。

もちろん違う系統の作品なので、テーマやタイトル・モチーフが違うのですが、実は表現面では統一したコンセプトで作成しました。それはこの記事のタイトルである“もう一度光と戯れる”と、“Not Photoshopped”です。

“もう一度光と戯れる”というのは、すでに掲載している写真を見ていただくとわかる通り、多重露出を用いたり、マニュアルフォーカスで大きくぼかしてみたりと、カメラやレンズの基本的機能に立ち返って試行錯誤をしてみよう、というものです。

0005

etude20160426-002

なぜそういうことをしているかというと、「チャレンジと好奇心」という側面と「氾濫するスマホ写真への反抗(抵抗)」という側面があります。普段の仕事で撮るときには、なかなか踏み込みづらい領域の撮り方を今回の作品撮影で採用しました。まぁ3年半も制作を凍結していたのですから、その前後で同じことや同じやりかたを繰り返すのはあまりにも芸がないと思いますし(苦笑)。

こういう撮り方で自分の作品をつくったらどうなるだろう?という好奇心に忠実に一度やってみたいなぁ、と。これまでも変な撮り方はやったことあるんですけどね(「快楽原則」など)。撮影後にInstagramやPhotoshopで加工する楽しみもそれはそれであるし、俺も普段やってるんですけど、それはそれとして。

あと、仕事で撮る時もそうですが、「スマホでは撮れない写真」を常々意識しています。これはカメラマンだったら誰しもそうじゃないかな。コンデジはいうまでもなく。

あと、“Not Photoshopped” は上述の「カメラやレンズの基本的機能に立ち返って試行錯誤」したうえで、撮影した写真をPhotoshop(その他画像レタッチソフトも含む)を極力使わないで仕上げる、ということです。極力と書いたのは、モデルさんの顔のシミ取りとか、最低限のレタッチは作品という以上はしなければならないため。画像合成機能などは使用しない、という意味です。

なぜそうしたかといえば、前回の「File:04」ではPhotoshopの画像合成を前提として制作を進めたので、その反動です(苦笑)。

official_header04

うえの写真は、No Reason [051] 〜「File:05 死後」より〜 という作品の一部を切り抜いたものですが、これは多重露出というフィルムカメラ時代からある撮影手法で、Photoshopを使っていません。

一般的に画像合成をする際にPhotoshopを使う理由は、手間を省くためであることが多いです。コントロールの難しい多重露出で合成するよりも、別々に素材を撮影して、Photoshopのレイヤーで重ねる方が効率的だからです。

でも、今回の作品制作においてはそういう効率的なものに逆らっていこうとwww
たぶん、そうすることでPhotoshopを使った写真にはない「味」が出せると思っています。

ずいぶん長くなりましたが、最後に展示方法についてもう少し。

私が今回参加するイベントのコンセプトは「同じアパートに暮らしている作家たちが展示・販売する」ということなので、もちろん作品展示もしますが、私はちょっと今回の制作の裏側もお見せする予定です。そう!どれだけ非効率的か!!!をwww

というわけですので、お越しになられる方はそういう見方もしていただけると、より楽しめると思います。

※展示の案内は下記記事をご参照ください
展示案内の記事(2016年5月17日投稿「Masashi Furuka 3年半ぶりの展示ご案内」)

展示案内DM配布場所まとめ

 

Facebookやmixiで配布場所を流していたのですが、このブログの更新をすっかり忘れてしまっていて、配布から1週間ちょっとが過ぎてしまいました・・・すみません・・・そして絶句。

日が経っているので、在庫の様子がわからないのですが、お近くに寄った時などに見ていただければ幸いです。設置枚数は新宿眼科画廊さんがいちばん多いです。

<配布場所(敬称略・順不同)>

【渋谷】

Gallery Conceal

http://www.renovationplanning.co.jp/gallery_conc…/shibuya4f/

UPLINK

http://www.uplink.co.jp/

【新宿】

新宿眼科画廊

http://www.gankagarou.com/about.html

【原宿】

デザインフェスタ ギャラリー

http://www.designfestagallery.com/

【中野】

タコシェ

http://tacoche.com/

【代官山】

イーストウエスト 代官山サービスセンター

http://www.eastwest-inc.co.jp/servicecenter/index.html

【銀座】

アートスペース羅針盤

http://rashin.net

よろしくお願いします!

《展示参加イベント詳細》

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yokohama art apartment
(略称YAA)
開催日時: 2016年6月18日(土)〜19日(日)午後12時〜午後6時
入場料:無料
開催場所:artmania cafe gallery yokohama 全館 (計20ブース)
住所:〒231-0064 神奈川県横浜市中区野毛町3-122
電話/FAX:045-514-3980
イベント公式WEBサイト : https://yokohama-art-apartment.blogspot.jp

access

42 No Reason第32回撮影

※この記事は2011年4月に書いた記事 に加筆修正しています。

 

今回のモデルは、東山佳永さん。
そして、またまた登場の大河くん。

東山さんはダンス・パフォーマンサーで、
しなやかで美しい肢体の持ち主。
昨年の竜宮美術旅館でのパフォーマンスを拝見し、
オレからラブコールを送って、モデルの承諾をいただいた。

事前に、赤田さん、Natsukiさんを交えて顔合わせを
行ったさい、某邸宅が候補に挙がったのだが、
なにぶんオレが休職の身で先立つものがない。

なので、代わりになりそうなところを探した。
そして、見つけ、実際に足を運んだのが、
上北沢にある「賀川豊彦記念・松沢資料館」という場所。

コンクリートの壁面で構成されたモダン建築で、
光の庭などがあり、綺麗なところだ。

しかし、オレの目当ては、さらにこの中にある「礼拝堂」だった。

撮影の交渉をすると、ご担当の方がとても親切かつ丁寧で、
社会学にオレが詳しいことが伝わったらしく、ひどく感心してくださった。

そして、案内された「礼拝堂」は、
昭和6年建築、というもの。

空気の澱みがなく、すごく感じが良くて、この場所に決めた。

今回の作品テーマは、
「天女の出産死」
だった。

そして、当日ご参加いただいたのは、以下の方々。
・モデル 東山佳永さん
・モデル 大河くん
・付き添い かなちゃん
・スタイリスト 赤田さん
・メイク Natsukiさん
・撮影助手 さとこさん
・撮影 Masashi Furuka

と、久々に大がかりの撮影になった。

というのも、作品テーマの通り、
これまで「死」のみが多くを占めた作品に、
新しく「生」、しかも「出産」を入れる、という
作品としては大きな転換点ともなりうる作品。

当日、記念館と予約時間のやり取りがうまくいってなかったのが
発覚し、撮影時間が少なくなってしまった。オレのせいだ。

赤田さんのスタイリングが冴える。

Natsukiさんも天女をイメージし、
素敵なヘアメイクだった。

撮影は巻きで進む。

メインカットをなんとか数パターン撮り終え、
あとは、東山さんの宣材を撮影。

とにかく逆光に透ける身体のラインが、
とても美しい。

そして、撮影終了。

実は、当初決めた料金よりも、
値引きして下さった。本当に「売れない写真家」にとっては、
涙が出るほどありがたい。

しかし、その浮いたお金で、
打ち上げでみんなで昼食www

入った地元の店が、またすごくて、
嘘みたいな大盛りや、意表を突く盛りつけで、
一同苦笑しっぱなし。

東山さんとNatsukiさんは、
オレが見つけていた銭湯へ。

そして、今回初の助手を申し出ていただいた
さとこさん、ありがとうございました。

礼拝堂の椅子の出し入れなど力仕事なども
手伝っていただいたり、高低を利用したカットの際に
フラッシュなどを移動していただいたり、
本当に助かりました。

オレは疲れてしまい、即帰宅したのであります。

で、このシリーズは、これまで使っていなかった「合成」を
使うことを前提としています。

小さい写真では、わからないのですが、
右下に輝くのは「カシオペア座」。

星座が意図するもの、それが伝わることを祈っています。

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