38 No Reason特別企画 「みんなで疑似死体」「ミンナデギジシタイ」

個展No Reason File03「死例:000-035」では、今まで公式には開催しなかったオープニングイベントを行った。

その中でも、ご紹介しておきたいのは、オープニング撮影会「みんなで疑似死体」という、カンタンにいえば「参加型撮影イベント」だ。

加えて、撮影した写真をその1時間後の「オープニングパーティ」で映写し、それを来場者が鑑賞する、という企画。

残念ながら、当日参加者のドタキャンが相次ぎ、13名ほどの応募者のうち、当日撮影に参加いただいたのは6人の方々。

しかし、6人も集まったことに、
とてもありがたいと思う。

実はこの企画を実現するまでにも、紆余曲折があった。
新宿眼科画廊の近くの公園での撮影許可を取るため、新宿区役所へ申請したのだが、企画書を一瞥し門前払いをくらった。

人数が多すぎる、という理由で。
(当時30名を上限として想定し、申請した)

その時点で、もうロケ地は選択の余地はなくなった。

新宿御苑だ。

撮影結果は、満足のいく仕上がりだ。
映写も好評だった。

その中から2枚だけ掲載しておく。

そして、11月は諸々のイベントが週イチで続き、正直言ってすべて終わった時に疲れ果てた。

そのためか、12月上旬はなかなか動けず歯がゆかった。

それでも、撮影の予定を立て12月には疑似死体撮影を2回行った。

しかしここでは、先に先述の「みんなで疑似死体」と関連する「ミンナデギジシタイ」の話をする。

お世話になっているartmania cafe gallery yokohamaでクリスマスパーティの企画が飛んでしまったと聞いた。

お節介ながら、これは一肌ぬがなければ、と企画をかって出た。

先の個展File03の「みんなで疑似死体」に参加したいけどできない、見学したい、などの反応を得ていたので、それをクリスマスバージョンにすることにした。

急遽企画を立ち上げたため、いろんな人を右往左往させてしまったが、最終的には、常々なにか一緒にやろう、と話していた、about tess のベーシストのひとり、オレの心友miyakenさんに相談した。

すると、一緒にチャレンジしようと言ってくださった。

二人で話し合い(もちろん酒ありw)、出たキーワードは「鼓動」。
不思議なほど意見と感覚が一致した。

これだけで十分だった。

オレはスナップに出掛けて、作り上げたい世界観を写真にして送り、それに対して、miyakenさんがさらにキーワードを産み出す。

「過激な独裁者のストリップショー」

クリスマスということで多忙であろう参加者の都合を考え、二部構成とした。

個展File03に、二度も来てくれたまりちゃんに手伝いを依頼し、シスターのコスプレをさせる。

おれは司祭のコスプレw

一度目は、無我夢中で撮り切った。
すごく不思議な空間。

一度目の後、予定通り反省会をして、二度目は人数が増えるため途中で移動させることと、miyakenさんと音の打ち合わせをした。

Ustream配信もした。

二度目では、星之ちゃんとるりこちゃんが衣装を交換するなど、参加者同士の交流も生まれた。

クリスマスは、もともとはキリストの聖誕祭ではなく、豊穣を祈る祭だった。

蝋燭のみの暗闇の中で、鼓動を奏でるベース。

それに呼応し響くシャッター音。

こんなクリスマス、滅多にない。

37 No Reason第28回撮影

File03の撮影予定は終了したはずだった。

が、しかし、DMに使用する予定だった写真が、これまでの二つとは全く違うことを、るかに指摘されて、ハッとした。
この頃は、オレも通院を始めて、不安定だったし、きちんと考えることができていなかった。

話は前後するが、ちょっと前に、るかがモデルになって、天使が空から落ちて(墜ちて)死んでいるシーンの撮影予定はあった。

それを、るかがやろうと言う。

ある意味では、るかのほうが、
この作品への想いが強いのかも知れない、
そう思うときが、ある。こういうことを書いてはいけないんだろうけどねw

撮影日は、やはり晴れた。

何パターンも撮影し、最後はるかは全身水浸し、
オレも腰から下はずぶ濡れ、水面ギリギリに構えてシャッターを切った。

いい撮影だった。

結果は、すでにご覧になっているように、水浸しのものではない。
その後、オープニングイベントが、二転三転したりして、DMの仕上がりが、いつもより遅れた。

でも、結果良ければ、すべて良し。

「天国でしにたい」

あなたは、どこで、しぬのでしょう。

36 No Reason第27回撮影

2010年の1月のことだったと思う。
No Reasonのスタジオ撮影に、Natsukiさんが、連れてきてくれたAさん。そのとき、私も疑似死体モデルになりたい、と言ってくれた。

そのとき、いろいろなシーンを話して盛り上がったが、それから、ずいぶんと日が経ってしまった。(よくあることだけど…汗)

Aさんのブログは、時々見ていて、順調そうだな、と思っていた。
知り合ってから、半年が経っていたが、時々はメールをしていたけど、ようやく目星が付いたので、一月以上先の撮影日を決めた。

Aさんは、ODで入院を経験したことがある。そこから立ち直り、復帰を果たした。

「一度死んだと思ってますから」
「身体は美しいままで死にたいと思っていた」
と言っていたのが、強く印象に残っている。

その望みを満たすシーンを決めるのに、オレはかなり迷った。社会的に見える彼女ではなく、ふだんのAさんで、しかも彼女の華やかな部分を
残したシーンにしたかった。

そして、撮影一週間を切ったころに、ようやく構想が固まり、2種類のシーンを撮影した。

撮影メンバーは、
・モデル Aさん
・ヘアメイク&撮影助手 Natsukiさん
・撮影 masashi_furuka
という最少構成。

昼過ぎから陽が落ちるまで、休憩を挟みながら、撮影を続けた。
残念ながら、夜に撮影したシーンは、諸々の理由から没にした(ロケハンしていれば、防げたのだが…)。

水道橋で打ち上げした。
そのときに、入院している、るかの話に、流れたAさんの涙が今も忘れられない。

File03の撮影予定は、これで終わり。

のはずだったが…

35 No Reason第26回撮影

撮影日は、2010年8月15日、終戦記念日。
とくにその日にした深い意味はないのだけれど、
気にはなっていた。

この日のモデルは、mixiコミュのモデル募集告知を見て、応募いただいた、ちあきさん。

いつもそうなのだけれど、「なぜ、この人は疑似死体モデルに応募したか」を聞くようにしている。とりわけ、mixiなどで、プロフィールを見ても、なかなか「No Reason」のテーマや世界観との関連が見えづらい場合は。

ちあきさんも、プロフィールには、ダンスが好きというだけで、オレとの接点は、好きなミュージシャンに、linkin park があるぐらいで。

モデル経験は少ないらしく、顔合わせをした方がいいな、と思ってはいたが、それも叶わず、撮影当日に、撮影前になるべく時間を取って、接点を見いだしたい、と思っていた。

ロケ地は渋谷の某所。
坂の途中にあるチェーンの飲食店で、いろいろ話を聞く。

その昔、「友達の友達はみな友達だ」という言葉が流行ったこともあったが、いまは、「友達の友達には、必ず鬱がいる」時代だと、この作品を作り続けていて実感を強くする。

こういうコミュニケーションで、
オレの考えや、モデルさんの心を掘り下げ、
撮影の流れをつくっていく。

シーン(死因)は、作品を観ていただきたいが、ダンスをされている、とのことだったので、身体の柔らかさを活かせればいいなぁ、と考えていた。

横を人が通りすぎるにもかかわらず、要求通りに無理な姿勢をしてくださった、ちあきさん。

このシーンは、日常によくあるものなので、メイクは普段のままで来ていただいた。

撮影メンバーは、
・モデル ちあきさん
・撮影助手 るか
・撮影 masashi_furuka
という最少構成。

夜間の撮影で、スローシンクロを使う。

この日は、るかがテンション高く、車道に身を乗り出し、轢かれても不思議ではないテストモデルをかってでる、など濃い撮影だったw

夏の路上に、異様なポーズで
横たわる疑似死体。
それは、別に「よくあること」を
再現したにすぎない。

しかし不思議なことに、8月15日の夜の風はなぜか少し冷たい感じがした。
気のせいではなく、たしかに。

真夏の夜の疑似死体は、「よくあること」なのに、きっと「特別なこと」だからなのかも知れない。

34 No Reason第25回撮影

実は、というほどでもないけれど、本当はこの頃(2010年7月頃)は、5週連続撮影になる予定だった。
しかし、諸々の予定変更などが重なって、結果的には、7月の最終日にスタジオで2組撮影という結果に。

1組目は、モデル募集に応募していただいたコスプレイヤーのぱじゃまでお邪魔さん。顔合わせをした結果、スタジオを使った方が良さげなシーンに。

そして、もう1組は、3月ぐらいに撮影する予定だったが、日程調整がつかず、延期になっていたTAMALAさん。

以前、電話で話したことがあり、どうやら作家としてのオレのスタンスを確認したかったらしいが、口論めいた感じになり、よくわからない人だ、というのがオレの印象だった・・・(TAMALAさん、すみません)

TAMALAさんとは、顔合わせができず、メッセージのやり取りでシーンと衣装を決めた。(よくあることだけれど)

で、メイクは久々の、ちゃちゃさん。
お会いするのも半年ぐらいで、ご無沙汰です!とかいいながら、かるーいノリで、待ち合わせ場所のマックに参上w

そして、助手のるかが体調不良でドタキャン。

急遽、以前、お手伝いしてもいいですよ、と
モデルをした後に、言ってくれていたnon.さんを
思いだし、当日朝に夕方からの撮影を手伝ってもらえないか、という傍若無人なお願いをした(汗

にも、関わらず、たまたま空いているので、
と快く引き受けてくださった!!

non.さん、ありがとうございました!!!

というわけで、この日の撮影メンバーは、
・モデル ぱじゃまでお邪魔さん
・モデル TAMALAさん
・メイク ちゃちゃさん
・撮影助手 non.さん
・撮影 masashi_furuka
という、ほとんどが初顔合わせ同士になった。

TAMALAさんは仕事が終わってから合流だったので、先にぱじゃまでお邪魔さんからシュート開始。
衣装はコスプレw
でも、器具は・・・

コスプレとリアルの中間というアンバランスを狙った。
撮影経験も豊富ということで、要求通りに無茶な姿勢にも応じてくださり、たいへん助かりました!

で、TAMALAさん到着。
時間がカツカツなので、すぐにメイクに入る。

赤と白で構成された世界。
スタジオもそれに合わせて選んでいたので、セッティングもスムーズ。
シュート開始。

ちょっとアラーキー大先生っぽい写真になっているのが、個人的には気になっているのだけれどw、撮っていて楽しかった。

しかし!!
重要な「死因」を示すアイテムを使うのを忘れていることを、
non.さんに指摘され、一同苦笑www

撮影終了予定も近づくなかで、
残り少ない時間で、それまでに撮っていた構図を頭の中で厳選し、再度それらを撮っていく。

そして、撮影終了。

撤収作業の間に、なぜか、テンションが上がり、衣装を着たまま、スタジオから飛び出して、辺りをふらつくTAMALAさんww

打ち上げは、ちゃちゃさんが都合で帰られたが、
なぜか共通の趣味などで、盛り上がり、けっこうな時間まで飲み食いしていたw

みなさん、お疲れさまでした~。